2015年2月22日 (日)

『ANNIE/アニー』

『ANNIE/アニー』

「ANNIE/アニー」オリジナル・サウンドトラック

「ANNIE/アニー」オリジナル・サウンドトラック

(´・ω・`)ネタバレの可能性があります(´・ω・`)

映画版アニーといえば、私の記憶に残っているうちで、映画館で見た映画のもっとも古いものだったように思います。
その後も日本ではミュージカル「アニー」がアニー役のWキャストオーディションから含めてエンターテイメント化されていたり、日本人とアニーはふかいつながりがありますね~

主人公のアニー役は天災子役といわれている黒人の女の子が演じているという程度の予備知識だけもって映画館に向かいましたが、大富豪の商売が携帯電話会社のCEOだったり、孤児院設定が給付金目的の養女設定になっていたりと、現代版としてかなり内容が変わっていたことに驚きました。

なかでも一番驚いたのは、エンディングテーマを情感たっぷりに歌う平井堅の「トゥモロー」。
あれはいいのだろうか(笑)。
平井堅は本当に歌がうまく、今作のエンディングでもうっとりするぐらい美しい声を聴かせてくれていたが、やはりこの曲は子どもが歌ってこそだなあと思いました。

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『エクソダス:神と王』

『エクソダス:神と王』

「エクソダス 神と王」 オリジナル・サウンドトラック

「エクソダス 神と王」 オリジナル・サウンドトラック

(´・ω・`)ネタバレの可能性があります(´・ω・`)

モーゼや「出エジプト記」というとチャールストン・ヘストンの『十戒』の印象が強いのですが、リドリー・スコット監督とクリスチャンベール主演ということで、いったいどういう作品になるのだろう??と期待を持って見てきました。

一番印象に残ったのは、「出エジプト記」で語られている様々な神の奇蹟が、ほとんど自然現象として説明されているところ。
十の災いとして有名なものがことごとく異常気象などで派生したこととし、その自然のメカニズムも作品中にエジプトの学者に台詞の上で語らせるという、徹底した現実主義っぷり。
有名な海割れの場面も『十戒』のような神パワーで海がパックリ割れるようなシーンではなく、あくまでも自然現象による超常現象といった解釈でした。(あまり語るとネタバレになりそうなのでやめときますが)

CGでなんでも表現できる時代に、あえて自然現象として表現する(もちろん、自然現象を自然に表現するためには高度なCG技術が必要なのですが)その心意気がすごいじゃないですか。

案の定諸外国では「史実と違う」という批判が上がっているようですが(もちろん「史実」とは旧約聖書に書かれている神の起こした奇蹟という設定です)、確かに山に登って洞窟で石板にコツコツと「十戒」を彫っているモーゼの姿は見たくなかったかと(笑)。
しかしある意味、キリスト教やユダヤ教などにそれほど思い入れのない日本人にとっては、結構納得できる内容なんだよなあと思いました。

また、エジプト王家の一族として育てられたモーゼが、実はヘブライ人で救世主として生まれてきた選ばれし者だったという、貴種流離譚のような逆貴種流離譚のような、こういう設定も日本人は大好きですよね。
ですので、海外では評判が良くなくとも、日本では純粋に映画として楽しめる人も多いんだろうなぁと思いました。

映像は美しくかつ緻密、音楽も壮大で、エンターテイメントとして楽しめるのも良かったと思います。
大画面、高音響の映画館で見てこそ、素晴らしさのわかる映画だなぁという感想です。

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2015年1月10日 (土)

『ST 赤と白の捜査ファイル』

映画ST 赤と白の捜査ファイル オフィシャルブック (TJMOOK)

映画ST 赤と白の捜査ファイル オフィシャルブック (TJMOOK)

(´・ω・`)ネタバレがあります(´・ω・`)

テレビドラマシリーズが大好きで見ていた割には、かなーり忘れていたでござる。

渡辺篤郎は制服を着ているがショットバーの店長じゃなかったっけ???とか、林遣都が腕吊っているのはなんか記憶の端に引っかかりがあるぞ・・・などなど、熱心に見ていただけ時々妙なところが気になったりしました。
まぁ私の記憶力がいよいよヤバいことになってきただけかもしれませんが・・・
テレビドラマから微妙に日数が経ってからの公開って、私のようなボケーっと視聴しているような層にとってはソコソコ厳しいな(笑)
月9の「信長協奏曲」なんかは1年後に映画化だそうですが、ついていけるのか今から不安です。

とはいえ、ドラマの時にウケていたテイストはそのままで、相変わらず楽しめました。

いやぁ~藤原竜也と岡田将生がほぼ出ずっぱりなので、眼福眼福(笑)。
共にスーツ姿が映える映える。
全くテイストの違う二人ですが、このシリーズでは掛け合いも軽妙で良いコンビでした。
ドラマでは水と油といった感じで反発しあっていたのに、映画では赤城が百合根に乗り移ったかのようなシンクロぶりで、あぁ~このコンビも見納めかと思うとなんだかさみしくなりました。
岡田将生は腕を上げたね(笑)←偉そうに
藤原竜也も相変わらずの安定感で赤城の不安定ぶりを見事に演じておりましたが、今回はちょっと「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛謎がとけてしまったぁぁぁぁぁぁ~~」不足。
エンドロールでの赤城のリラックスした笑顔にはやられました。

映画からの参加はユースケサンタマリア。
ユースケさんと刑事ものというと、どうしても湾岸方面のアレを思い出してしまいますが、今回は正真正銘の犯人。しかもイッちゃってる系。
サイバー犯罪者役ですが、こういう変人役は似あいますね~←ほめ言葉

ドラマの内容をあまりにも覚えていなかったため最初は不安になりましたが、とっても楽しめました。テンポが良く、展開も変化が多くて先が読めないので、あっという間の上映時間でした。


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2014年11月29日 (土)

『美女と野獣』

『美女と野獣』

美女と野獣 (竹書房文庫)

ディズニーアニメ版やそれを基にしたミュージカル版の実写版だと思っていたら、ぜんぜん違ったでござる。

(´・ω・`)ネタバレがあります(´・ω・`)

フランス映画らしいちょっとブラックな設定や、華麗なコスチュームプレイは一見の価値あり。
ディズニー映画の「美女と野獣」とはいろいろと設定が異なっていますが、野獣が人間に戻っても野獣顔なのはどの世界でも共通なのか(笑)、なかなかワイルドな王子様でした。
でも野獣化する前の王子様時代に奥さんがいたり、野獣から人間に戻った後は〇〇(激しくネタバレにつき、伏字)になったりと、野獣もただのステキ王子じゃなくてそれなりの人生を歩んでいるのもフランスらしい。

野獣役がヴァンサン・カッセルということで、ちょっとトシ行きすぎじゃ・・・とかワイルドすぎじゃ・・・と事前には思っていましたが、映画を見て納得できました。
野獣らしい鋭い眼光もそれらしく、ちょっとアウトローな雰囲気が作品の世界観にピッタリでした。

ヒロイン・ベル役はレア・セドゥ、今売り出し中の女優さんですね。
特別煌びやかな容姿というわけではないのですが、人気女優の道を駆け上がっている最中の、キラキラした華やかな感じ。
結構行動的でパワフルなベルにピッタリのガタイの良さもあり、華やかなコスチュームがよく似あっていました。

CGや特殊メイクを駆使して迫力ある映像でしたが、終盤は突然巨人が登場したり血みどろブシャーなどグログロしていたり、なんかあらぬ方向に向かっていったのも楽しかったです。

 

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2014年11月 2日 (日)

『小野寺家の弟・小野寺家の姉』

小野寺の弟・小野寺の姉

小野寺の弟・小野寺の姉

(´・ω・`)ネタバレあります(´・ω・`)

見たい映画があって映画館に行ったものの、時間の都合が悪かったので、急遽こちらの映画を見てきました。
見るつもりはなかったので、映画の内容などほとんど知らないまま見てしまいましたが、これがなかなかわたし好みの映画で面白かったです。

しっかり者だがコンプレックスから頑なになっている姉と、引っ込み思案でオタク気質な弟。それぞれアラフォー、アラサーだが、結婚もせず交際相手もおらず、古ぼけた一軒家で姉弟で暮らしている。

という姉弟がいたら、なんだこの姉弟はと不審に思ったり、ちょっとかわいそうと憐れみを催すと思うですが(自分のことは棚に上げといて)、小野寺家の姉弟は、丁寧な暮らしぶり、お互いを思い合うやさしさがそこかしこに感じられ、そっけないけど家族っていいなと思えました。

毎朝炊き立てのご飯とだしをしっかりとった味噌汁、それに焼き魚や小鉢のおかずを用意し、家族そろってご飯を食べる。
こういう当たり前のことが当たり前にできる家族が少なくなってきた今、「いい年」の姉弟がきっと何十年もこうしてきたのだろうなと思うと、静かに感動しました。
早くに両親を失い、年の離れた弟を抱えたお姉さんが、どんな思いでこの生活を守ってきたか。

静かな二人の生活にもちょっとした恋の嵐が吹き荒れるのですが、これもちょっと切なくて二人の不器用っぷりにヤキモキしたりガンバレ~と応援したり。
恋愛に臆病な人間にとっては、とっても二人の気持ちが良くわかるのですね~ただ、それを表に現さないだけで。

所々にクスっと笑える小ネタがちりばめられているのも楽しかったです。
ムロツヨシや橋本じゅん、大森南朋など、他の出演者もノリノリな感じで。
こういう雰囲気って、映画でしかだせないよなぁ~なんて思いながら見ていました。

とても雰囲気のいい映画でした。
できれば見逃した小ネタを拾いに、もう一度見てみたいな(笑)。

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2014年7月21日 (月)

『幕末高校生』

幕末高校生 (小学館ジュニア文庫)

幕末高校生 (小学館ジュニア文庫)

(´・ω・`)ネタバレあります(´・ω・`)

すっごい久々に映画のレビューを書きます。

試写会で見てきました。

現代の高校生がタイムスリップし、歴史上の人物と出会ったり歴史的な場面に立ち会ったり・・・というのはよくある設定ですが、タイムスリップの原因がスマホアプリだったり、盛り盛りメイクの女子高生ギャルが登場したりと現代にアレンジしてあり、なかなか面白かったです。
原作というか原案は眉村卓『名残の雪』、過去にはドラマ化もされているようです。

まぁ~ストーリーは先が読めるし石原さとみ演じる川辺先生がイラつくヤツなので(石原さとみはイラつくキャラの川辺先生を好演していました)うぃぃぃ~と思いながら見てる部分もありましたが、歴史上の人物を巻き込んでのドタバタコメディ、タイトル通り高校生など若い人が見たらとっても面白く感じそうだなぁと思いました。

個人的にツボなのは、西郷隆盛の佐藤浩市、徳川慶喜の篠井英介、新門辰五郎の山崎銀之丞など、なにげにドンピシャの配役だったこと。
隆大介や石橋蓮司、伊武雅刀など、ベテラン俳優陣も素晴らしい演技で、ただのコメディ映画ではない、本格的な時代劇としても見ごたえがあったのが重畳でした。

そして玉木宏演じる勝海舟の殺陣シーンが格好いい!
玉木宏と幕末という縛りはなんとなく坂本龍馬を思い出してしまうのですが(大河ドラマの影響ですな・・・)、べらんめぇ口調の勝さんも格好いいです。
乗馬シーンも良かったなぁ~これも大河ドラマ(平清盛)で練習したのかな。
こういう時代劇を経験した俳優さんって、後々まですごい財産になりますね~
若い将来有望な俳優さんたちも、できるだけ時代劇に出てほしいです。
しかし今回のキャラクター造形なら、篤姫に「勝を呼べ」とアゴで使われる勝海舟も見てみたかった気もしますが、まぁそこまで行くと話が広がりすぎるか。

千葉雄大や柄本時生はいったいいつまで高校生役をやるのか?とツッコミを入れつつも、どちらもまだまだイケそうですな。
川口春奈のギャル女子高生は、幕末に行ってもギャルギャルしい上にお付きの人たちまで巻き込んで楽しくやっていたのには大笑い。
「柳田っち~」という呼び方もツボでした。
川口春奈は女子高生役とか明るい主人公系の役が多いのですが、雰囲気から察するに少し影のある役などがピッタリはまりそうなのですが。(上戸彩とかもそんな感じでした)
まぁキャピキャピの女子高生なんて今のうちしか演じることができないのだから、今は若くてかわいい役を演じるのもいいかもしれませんが。

一言文句をつけると、タイムスリップ場面や「残り〇時間」みたいな芝居の合間に挟まれる場面で使われているピピピピピピピピピピみたいな効果音がものすごくうるさい!!(笑)
若い子ならあの程度余裕なのか??
いやいや、なんか直接神経に訴えてくるようなうるささだった(笑)

効果音の悪口を言った後で説得力はないかもしれませんが(笑)、BGMはどれも良かったです。
エンディングロールを見ると、服部隆之氏が音楽を担当されているとか。
道理で道理で。

なかなか面白かったです。
迫力ある殺陣のシーンなど、ぜひ劇場でご覧ください。

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2014年4月 6日 (日)

ゲキXシネ『ZIPANG PUNK~五右衛門 ロックⅢ』

ZIPANG PUNK―五右衛門ロック〈3〉 (K.Nakashima Selection)

ZIPANG PUNK―五右衛門ロック〈3〉 (K.Nakashima Selection)

ゲキXシネ『ZIPANG PUNK~五右衛門 ロックⅢ』を見てきました。

(´・ω・`)ネタバレがあります(´・ω・`)

五右衛門ロックシリーズの3作目。

記録的な動員となり、プラチナチケットと化していた舞台だけに、こうして映画館で見られることはうれしい。
セルDVDも出ると思いますが、やはり大音量・大画面で見ることができるのは貴重です。
映像技術も飛躍的に進んでいるので、汗の一粒一粒まで見える高画質、いろんな台詞がクリアに聞こえる高音質、生演奏舞台ならではの迫力を伝えるサラウンド技術など、臨場感あふれる舞台が体感できるのは映画館ならでは。
このド迫力な舞台を自宅のテレビで見るとなると、やはりご近所が気になるので音量を絞らざるを得ない(笑)。

しかし、ゲキシネ企画もかなり回を重ねてきましたが、今回はちょっと編集に手を入れすぎでは・・・と思いました。
CGが多用されていましたが、それがゲキシネ版の特徴とはいえ、舞台ならではの工夫をそのまま見たかったなぁ。。。(特に最後、五右衛門たちが船に乗る場面での海の荒波表現なんかは、舞台の布と風を用いた演出はわざわざCGで波を付け足す必要はなかたのでは・・・など)
また、ミュージカル場面でテロップや効果アニメーションが追加されていて盛り上げていましたが、あれはテレビCMだけの演出家と思っていたら、本編でもそのままだったので驚きました。
まぁ自分が演劇好きゆえの意見ですが、映画ファンから見るとまた別の意見だったりするのかなと思いますが。

五右衛門ロックシリーズはどれもド派手で豪華で下品で(笑)、これぞエンターテイメント!!といった感じで大好きです。
新感線らしさ炸裂というか。
ゲストも実力派ばかりの豪華なメンツで、また劇団員も安定した素晴らしいエンタメっぷりで、そして勧善懲悪のストーリーとスペクタクルなラスト。
高尚な作品やいろいろと考えさせられる作品も大好きなのですが、頭空っぽにして心から笑って「あ~あ楽しかった!」と大満足で劇場を去れるお芝居も、日頃のストレス発散にぴったり。

石川五右衛門の古田新太。
超~格好いいです♪
「五右衛門ロック」シリーズにおける石川五右衛門は、宝塚のトップスター的というか、主役として真ん中にどーーーんと立っていて見せ場やアクの強い演技は周りの人たちが必死に汗をかきながら演じるという構図で、いい意味でしどころのない役、言い換えれば何もしなくても主役然としていられる華やかさや存在感が必要な役だと思います。
周りの人たちの演技を「受け」る役というか。
難しい役回りだけど、これほど座長らしい役もないというか、演出や脚本も古田さんに全幅の信頼があるからこそ預けられる役なのではないかなと思いました。

白波五人男の稲瀬川勢揃いのような主要人物4人の口上の場面での格好良さは格別。
古田さんは本当に歌舞伎ばりのにらみもきかせ、見事な決めっぷりにおもわず掛け声や拍手をしそうになりました。えぇ映画館だったのでしませんでしたが。
何度もある殺陣のシーンも圧巻。
テレビでの小太りな変なおじさん的古田さんしか知らない人はもったいない(笑)

明智心九郎の三浦春馬。
正直、こんなに歌って踊れるとは思っていませんでした。
芝居がうまいのはテレビドラマや映画でわかっていましたが。
歌って踊れて芝居ができて、華があって動員力もある(笑)、いつかバリバリのミュージカルの主演とか見てみたいなぁ~
豊臣時代が舞台で名前が「明智」というと真っ先に明智光秀を思い出していましたが、この明智は「明智小五郎」の明智だったのね~(いや、最終的には光秀路線も合っているのですが)
ゲキシネでアップで見ると、目線や表情で意外と細かく演技をしていて、若いのに考えて役作りしていてさすがだなぁと。
こういうのはとても好感持てます。
笑顔でキレ者の裏ではいろいろ企んでいたり、まっすぐゆえに暴走したり裏切られたり、いろいろな表情がある心九郎役はやりがいがあっただろうなぁ~と。
舞台でも映像でも主役張れる俳優というと藤原竜也や小栗旬がすぐ思い浮かびますが、彼らが30代に入ったことを思うと次世代として名乗りを上げてほしいなぁ~

猫の目お銀の蒼井優。
彼女も意外と歌がうまくて驚きました。
子どものころバレエを習っていたことは有名ですが、歌いながらダンスをするのはまた別の才能ですからね~相当努力したんだと思いますが、それでも素晴らしい。
何より声がきれいでよく通るので、舞台向きですね。
お銀のようなコケティッシュでツンデレな役はいかにも彼女への当て書きという感じですが、その役割を最大限生かして演じていたと思います。
彼女は舞台女優としていろいろと活躍されていますが、今後はミュージカルのオファーもくるのではないでしょうか。

シャルルの浦井健治。
あぁ東宝のプリンスになんてことをさせるのだろう・・・(笑)
明智心九郎の裏があるキラキラ笑顔に対し、シャルルのアホゆえの本物のキラキラ笑顔(笑)
ケツクセーみたいな小学生男子並みの歌詞(いや、確かにフランス語っぽい語感の言葉だけどもよーー)を、センターで朗々と歌い上げる、壮大な華の無駄遣い。
しかしミュージカル仕込みの本格的な歌唱力は群を抜いていて、役柄の「こいつは裏切ったりしないだろうな・・・」という本物のオバカゆえの安心感と、本物のミュージカルスターゆえの歌の安定感がマッチして、陰謀渦巻く劇中の一服の清涼剤となっていました。

春来尼の高橋由美子。
春来尼が事実上のヒロインでしたな。
劇中でも年齢不詳の化け物扱い(笑)でしたが、実際の高橋さんも「南くんの恋人」の頃から変わらない安定した愛らしさのままでうらやましい限り・・・
八百比丘尼を想い起こさせる春来尼ですが、彼女のキャラクターにピッタリでした。

前田慶次郎の橋本じゅん。
「花の慶次郎」的な劇画調の暑苦しさ!!さすがです!!
あの立派な白馬も「花の慶次郎」リスペクトでしょうか(笑)
五右衛門と慶次郎の熱い友情と信頼関係は、古田さんと橋本さんという素顔の本人たちもちょっと匂わせていて、なかなか感動的でした。
しかし出てくるだけでこれほど客席を沸かせる存在感ってなんなのでしょう(笑)

蜂ヶ屋善兵衛の村井國夫。
ロングコートのような服装といい、なんとなくジャベールを思い出しました(笑)
「レ・ミゼラブル」の舞台では何度か村井さんのジャベールを拝見していたので懐かしいなぁ~と思いました。
新感線は初めての登場とのことですが、そんなこと全然思わせないなじみっぷり。
新感線と相性が合うんでしょうね~
悪役ですが、自分にとっての正義=商売という、正義を全うする為なら国をも売るという徹底した信念に基づいた行動は、ある意味ジャベール的でありました。

豊臣秀吉の麿赤兒。
圧倒的な存在感。
秀吉の最晩年の不気味さ、狂気、妄執のようなものを見事に表現していて、天下人として畏怖される「怪物」感が素晴らしかったです。
晩年の秀吉は様々な名優が演じていますが、なんだか決定版を見せられたという感じがしました。

その他、劇団新感線の面々の安定した素晴らしさ。
今回はアンサンブルも良かったですね~
パンクロックにのって歌い踊るド派手な世界観。
映画ながら、見終わった後は本物の舞台を見たような心地よい疲労感がありました。

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2013年4月29日 (月)

『舟を編む』

映画『舟を編む』

映画 舟を編む オリジナル・サウンドトラック
映画 舟を編む オリジナル・サウンドトラック サントラ 渡邊崇

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dangerネタバレの可能性がありますdanger

玄武書房の辞書編集部では、新しい辞書「大渡海(だいとかい)」の刊行プロジェクトが立ち上がる。営業部のお荷物社員・馬締(まじめ)はふとしたきっかけで辞書編集部にスカウトされ、異動して辞書編纂の担当者になる。独特な編纂作業にとまどいながらも、辞書作りの奥の深さや監修の先生たちの熱意に次第に感化され、10数年に及ぶといわれる先の見えない辞書作りにのめりこんでいく。人とのコミュニケーションが苦手な馬締が同僚たちと次第に心を通わせ始め、仕事にやりがいを見出し始めた頃、下宿先の大家の孫娘、香具矢と出会い、一目惚れする。

辞書編纂に情熱をかける青春モノと思って観にいきましたが、意外とラブコメちっくなところもあり、笑ったりしんみりしたりと楽しく観ることができました。

誰もが一度は手にしたことがあり、家の片隅にある「辞書」。
身近なものではありますが、その製作の裏側というのは知らなかったので、その作業の大変さには正直衝撃を受けました。
いやぁ~10年20年当たり前の世界なんですねぇ。
関わる人たちは、まさに生涯をささげる気概が必要です。

主人公の馬締役の松田龍平。
朴訥とした変人の馬締を見事に演じていました。
う~ん、バラエティ番組などで見る本人や、彼が演じるほかの役と同じ人が演っているとは思えません。。。
役者ってすごいなぁ。

馬締くん、辞書編纂作業は本当に天職に出会えたな。
なぜ彼を営業で使っていたのか、そっちの方が気になるわ~。
ちょっとコミュニケーション苦手というよりは、病院に行ったら何らかの病名が付きそうなくらい人とのかかわりが苦手なタイプですが、でも彼本来の良さを見抜き、支えてくれる女性に出会えてよかったねぇ~と本気で思いました。

ヒロインの香具矢役の宮崎あおい。
芯の強い女性役がピッタリですな。
板前を目指して大将について厳しい修行を積んでいた香具矢が、10年後ひとりでカウンターに立っているのを見て「お店乗っ取ったのか!!!」と衝撃を受けましたが、後で一緒に見た人に話したら独立して店を持ったんじゃないの?とのこと。
ふぅ、よかった(笑)。
香具矢さんの板前修業でももう一本映画が取れそうだなぁ。

他にも登場人物がいちいちハマっていて、キャスティングが素晴らしい~
ゆったりとした間の取り方も心地よく、静かな中にも情熱が感じられる辺りは良かった。
一生懸命働く人を見るのは気持ちいいな。
 

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2013年1月 6日 (日)

『大奥~永遠~』

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逆転大奥シリーズ、映画吉宗編、テレビドラマ家光編に続いての映像化映画作品。

テレビドラマの有功・家光編では大奥の誕生する経緯を描いていたため、どちらかというと地味~な画面でしたが、こちらは元禄時代の絢爛豪華な大奥の世界ということで、煌びやかな衣装やセットが正月早々目の保養になりました。
特に桂昌院の袈裟と綱吉の着物・髪飾りはどれもよかったなぁ~
あまり着物や袈裟には詳しくないけど。

右衛門佐役の堺雅人、家光編では主人公の有功を10代から演じていたのに、こちらではいぶし銀の50代まで。役者さんは大変だ・・・
はんなり上品な中にも強烈な野心を持っている右衛門佐、キャラクターにピッタリでしたな。
聖人君子だった有功と上昇志向が強くてやり手の右衛門佐、ドラマから映画と短時間の間に見ましたが完全に別人だったのはさすがです。

綱吉役の菅野美穂、いやぁキリっとしていてキレイでした。
豪華な衣装が似合っていました。
将軍として長年君臨する威厳も出しながら、父親からの呪縛、跡継ぎを産まなければならないプレッシャーにがんじがらめになっている悲哀や、周囲からの操り人形に過ぎないと絶望している白痴美的な様子まで、難しい役だなぁ。

西田敏行の玉栄はお笑いと悲哀が入り混じった絶妙さでさすが。
若玉栄の田中聖が数十年後には大変なことに・・・とは思いつつ(笑)、くりっとした目元などは似てないこともないかも・・・いや・・・

しかし、歴史的にも意味不明法として有名?なあの「生類憐れみの法」をこんなストーリーに仕立て上げた原作はすごいっす。
生い立ちから愛よりも野心を取った男と、愛よりも使命を背負わされた女の、ままならない運命が切ないです。
最終的には二人は幸せだったのか?不幸だったのか?
なかなか考えさせられるラストでした。

とはいえ、全体的に薄い印象がぬぐえない映画でした。
原作をなぞっているだけのストーリーではなく、もう少し登場人物の心の機微のようなものがわかりやすくてもよかったんじゃないかなぁと残念に思いました。
主役の二人が一目ぼれにはじまり、気持ちを押し殺したまま数十年を過ごしていく過程がいまいちよくわからないというか・・・その辺は私の想像力が足りないだけかもしれませんが。

でも時代劇が少なくなっている今、こういう美しい世界を見せてくれる映画は貴重です。
とりあえずシリーズはここで完結するようですが、まだ原作も続いているようですし、いずれば幕末編なども見てみたいなぁ。

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2012年11月10日 (土)

『最強のふたり』

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dangerネタバレの可能性がありますdanger

以前から評判の良かったこの作品、楽しみにしていました。
フランス映画が日本でメジャーな人気になるのって、けっこうめずらしいような。
「アメリ」みたいなフランスらしいおしゃれ映画が流行ったことはありましたが、快挙じゃないでしょうか。
やはり良い作品は世界各国共通というか。

大富豪だが事故で半身不随となったフィリップと、貧困層出身でムショ帰りの青年ドリス。
普通なら絶対相容れないであろう二人が次第に友情を育んでいくストーリー。

いやぁ、正直感動作かと思って観にいきましたが、最初から笑いに次ぐ笑いで、こんなに笑える映画だったとは思いませんでした。
なんか登場人物全員がひねくれたヤツに見えて根は善人だからかなぁ~
フィリップの養女の彼氏なんて、最後のほうは登場するだけで笑いを取っていました。

障害ネタで笑いを取るなんて不謹慎な気がしますが、フィリップとドリスの間にお互い差別意識を持っていないという絶対的信頼関係があるから、ギリギリで笑いに昇華できているなぁと思いました。
まぁハゲのおっさんが「誰がハゲやねん!」と自虐ネタで笑いを取る感じに近いというか。
フィリップの障害、ドリスの出自というのは、第三者から見れば社会的弱者といえる存在かもしれませんが、本人たちが本当に必要なのは上から目線の同情ではなく同じ目線で言いたいことを言い合える相手だったということでしょうか。
お互い不足しているものを補い合う関係というのはとてもいいなぁと思いました。

笑いに次ぐ笑いで、ときどきほろっと泣かされる。
映画館は比較的年配の人も多かったのですが、こういう安心して観られる映画というのを今の日本人は欲しているのかなぁと思いました。
実話を基にした映画ですが、二人の関係は別に特別なものではなく、我々の周りにも見逃しているだけで結構ありがちな話なのかもしれません。
そう思わされました。

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