2009年2月28日 (土)

歌舞伎座『二月大歌舞伎』昼の部

2009年2月某日昼の部 歌舞伎座

Kabukiza

建て替えが決まり、さよなら公演2ヶ月目の歌舞伎座。
連日の大入りのようで、私が行った日も大盛況でした。
「銭湯みたい」なんていう御仁もいらっしゃるようですが(笑)、銀座を歩いていて突如現れる歌舞伎座の光景は、非日常を感じさせる素敵な空間だと思います。

『菅原伝授手習鑑』
加茂堤
賀の祝

桜丸:橋之助
八重:福助
松王丸:染五郎
梅王丸:松緑
斎世親王:高麗蔵
苅屋姫:梅枝
三善清行:松江
春:扇雀
千代:芝雀
白太夫:左團次

「加茂堤」は初めて拝見しましたが、のほほんとして時折下ネタなどもあったりして、おおらかで楽しい演目だなぁ。桜丸の無邪気さや夫婦の幸せな様子がなんともほほえましく、だからこそその後の「賀の祝」が余計に悲劇的です。
橋之助さんの桜丸のおおらかな上品さもいいし、福助さんの八重がなんともかわいい~。
牛を引っ張るところの困った様子が愛らしいです。まぁ、若い娘にいきなり牛を引けっていうのが無理すぎるぜ桜丸・・・若くもない私でも、それは無理っす。
松江さんのおバカな敵役もよかったな。

「賀の祝」、前半の松梅の兄弟喧嘩はバカバカしくて楽しい。途中お互いの奥さんを取り違えたり~なんていうベタな笑いもあったりして、歌舞伎らしい大らかさがいいです。
しかし松王丸も梅王丸もずいぶんあねさん女房だな(゚ー゚;
喧嘩が終わると、悲劇一直線。前段が幸せ一杯だっただけに、政治に翻弄されて引き裂かれる夫婦、親子に涙を誘われます。。。

『京鹿子娘二人道成寺』

白拍子花子:玉三郎
白拍子花子:菊之助

平成16年初演、5年で4回上演されているという、人気演目。
去年の松竹座を拝見しましたが、そのときは二人の花子の美しさに見とれまくっていましたが、今回はさらに圧倒されましたね~。バージョンアップしてます!!
どこを切り取っても絵になる美しさ、舞台から発せられる華やかさ、めくるめく世界にどっぷりとつかってまいりました!!

今回はありがたいことにかなり前方の席で観劇したのですが、二人の表情の違いがはっきり見て取れました。比較的無表情に踊る菊之助さんに対し、玉三郎さんは踊りに合わせて目線や仕草にはっきりと感情が表れる。
二人の踊りの差、経験の差、解釈の差などもあるかと思いますが、それよりも玉三郎さんが言われている二人で一人を演じるという、花子の二面性の現れなのかと思いました。
菊之助さんが外面(=外見)を、玉三郎さんが内面(=魂)を演じているというか。

玉三郎さんが自身のホームページで「鷺娘」の上演が最後になるかもしれない・・・ということを書かれていてちょっとショックだったのですが、この道成寺も娘物の舞踊、しかも大曲ということを考えれば、いずれは封印される時が来るのかもしれない。大好きな演目なだけに、というより私自身まだ2回しか観ていないのでまだまだ10年先も20年先も見続けたい思いはありますが、演じる方も生身の人間であることを考えると、そうはいかないわけで。
舞台は一期一会なものですが、だからこそ今二人の道成寺を拝見することができたのは本当に幸せなことであり、この時代に、この日本に生まれてよかったなぁ~と思う次第です。

舞台には「完成」などないのかもしれないけれど、この玉三郎と菊之助の「娘二人道成寺」はその完成に近づいているような気がします。
過去4回の上演はすべて玉三郎菊之助コンビ、この二人以外での上演は考えられない!!なんてファンとしては思ってしまうんですが、この二人それぞれの道成寺も観たいような・・・

『人情噺文七元結』

左官長兵衛:菊五郎
女房お兼:時蔵
和泉屋手代文七:菊之助
娘お久:尾上右近
角海老手代藤助:團蔵
和泉屋清兵衛:吉右衛門
角海老女房お駒:芝翫

菊五郎さんの世話物、面白おかしい中にも上品さと歌舞伎らしさがあって好きですねぇ。
菊五郎さんらしい色気と愛嬌で、いい加減だけど江戸っ子らしい気風の長兵衛に笑わせられたり泣かされたり・・・

時蔵さんの女房お兼、時蔵さんというと上品な奥方なイメージだったのですが、今回は下町のおかみさんってことで、旦那をカンカンと叱ったり下着姿で衝立から覗いたり引っ込んだり。。。なんてコミカルな役回り。本当に歌舞伎俳優の引き出しの多さにはいつも驚かされます。初役ということですが、菊五郎さんの女房役は慣れたもので息もぴったり、存分に笑わせてもらいました~。

文七は菊之助さん。直前まで花子Ⅱだったというのに、今度はちょっと情けない手代の青年役。
この文七って、おっちょこちょいの情けない男で、顔がいい以外いいところナシなだめんず。あんなにいい娘なお久ちゃん、相当苦労しそうだなぁ・・・なんて心配せずにはいられません(笑)。
菊之助さんの男役(っていうのか??)、実は結構好きなんですが、この文七もキレイで繊細で良かったです。個人的にツボっている菊之助さんのキメ顔(唇をきゅっと結び、鼻の下を伸ばすような表情・・・ってわかりづらいですが)もたっぷりと観られたし♪
なんか「クソ真面目な人がかもし出す天然ボケのおかしみ」を感じるんですよね~。そして大川端の場面のラスト、花道を行く長兵衛へ向ける驚きと感謝の表情は印象的です。

吉右衛門さんや三津五郎さんがワンポイントリリーフ的に出演されていて、さよなら公演らしい豪華さで得した気分倍増です♪お二人とも短い出番ながら存在感抜群でした。
芝翫さんの角海老のおかみさん、吉原の大きな店を切り盛りする厳しさとともに、江戸っ子らしい人情あふれる役どころにぴったりな貫禄。こちらも豪華です。

世話物は台詞も分かりやすく、とくに今回のように落語が元ネタの作品は笑って泣いての心温まる作品が多くて大好きです。
地元に近々中村屋版文七元結のシネマ歌舞伎が来る予定なので、そっちも観にいきたいですね。

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2009年2月22日 (日)

歌舞伎座『二月大歌舞伎』夜の部

2009年2月某日夜の部 歌舞伎座

『蘭平物狂』

奴蘭平実は伴義雄:三津五郎
在原行平:翫雀
水無瀬御前:秀調
一子繁蔵:宜生
与茂作実は大江音人:橋之助
女房おりく実は妻明石:福助

2年前の博多座、松緑さんの蘭平で観て以来の演目です。
前回見たとき、大立ち廻りのあまりにもの凄さに感動しまくっていたので、今回もすごく楽しみにしていました。

後半の立廻り、三津五郎さんと捕手の皆さんの緊張感あふれるアンサンブルが素晴らしい!!客席も大盛り上がりで、花道の大梯子や井戸の屋根での立廻りなどはひゃぁ~という歓声?と拍手の嵐でした。

しかしこの作品、登場人物みんな「実は○○」なんていうのがあって、筋が掴みにくいのなんの。しかも蘭平を捕らえるのが幼い息子。。。なんていうのがさらに混乱を招く(笑)。

その蘭平の倅繁蔵役は、橋之助さんの三男宜生君。
博多座で観た時は子役の子で、いかにも子どもらしい~という感じでしたが、宜生君はガタイも良く所作や台詞も堂々としているなぁ・・・と思って筋書を見るとまだ7歳とか。なんという落ち着きっぷり∑(゚∇゚|||)
いかにも芝居好きそうで、将来が楽しみですね。

三津五郎さんは前半の物狂な舞踊もステキでしたが、後半立廻りでのアクションもキレがありましたぜ。手負いになりながらも繁蔵を探す姿に涙を誘われます(ノ_-。)

怒涛の立廻りに客席も暖まってきたところで、休憩を挟んでの大顔合わせ『勧進帳』です。

『勧進帳』

武蔵坊弁慶:吉右衛門
源義経:梅玉
亀井六郎:染五郎
片岡八郎:松緑
駿河次郎:菊之助
常陸坊海尊:段四郎
富樫左衛門:菊五郎

子どもの頃、NHKのドラマで見てた吉右衛門さんの「武蔵坊弁慶」!(義経が川野太郎のやつです)だから、私の中では弁慶というと松平健よりも吉右衛門の印象が強いんですよねぇ・・・

吉右衛門さんの弁慶に菊五郎さんの富樫・・・なんつー豪華な!!
しかも、四天王が段四郎、染五郎、松緑、菊之助という無駄なまでに華やかな配役っぷり。
歌舞伎座さよなら公演に向けての人気投票では『勧進帳』が断トツでトップだったそうですが、二月で早くも登場というところも贅沢な感じです。
(まぁ、1年以上続くさよなら公演シリーズで、もう1~2回はやりそうですけどね~。高麗屋さんとか成田屋さんとかで)
松羽目物では睡魔との壮絶な闘いになりがちな自分ですが、『勧進帳』はそういえばウトウトしたことはないなぁ。それくらい見所の多い演目なのかなと思います。

額に汗を浮かべながらの熱演だった吉右衛門さんの弁慶、迫力ありました♪
三階席で拝見したのですが、あの大きな歌舞伎座のすみずみまで支配する「大きさ」、素晴らしいと思います。
白紙の勧進帳を読み上げる場での天地人の見得、菊五郎富樫とともに錦絵を抜け出てきたかのように美しく、おぉぉぉぉぉ~~と背筋がゾクゾクきました(いい意味で♪)
ただし、三階席だったので、当然六方などの一連の所作は見ることができず・・・weep
とはいえ、この歌舞伎座の空間で拝見する『勧進帳』は格別ですな~。

菊五郎さんの富樫。凛として美しく、気品あふれる立派な富樫で、昼の部でふんどし一丁で美脚を披露している長兵衛と同一人物とはおもえません(笑)。
重厚で立派な富樫だからこそ、彼が自分の命を賭けて義経一行を見逃す行為が崇高であり、彼の心を動かした弁慶の忠誠心、人物の大きさがより引き立つんでしょうね。
弁慶を充分に引き立てながら、富樫の本分もたっぷり魅せる菊五郎さんはやはりすごいなぁ~と実感しました。

義経の梅玉さん、笠で顔を隠しても、四天王の後ろに隠れていても、隠し切れない品格が・・・そして安宅関を抜けて「さっきはすんませんでした!!」と平謝りな弁慶に対し、むしろ感謝の情をのべる義経の大きさ、こういう人柄だからこそ弁慶をはじめとする部下達も身を挺して守っているんだ~という説得力のある義経像だと思いました。

染五郎さん、松緑さん、菊之助さんたち、それぞれ弁慶や富樫、義経を演じてきた人たちであり、今後も演じていく運命にある人たちなわけですが、こっちもそう思って見るからか、舞台上でも吉右衛門さんや菊五郎さんたちをガン見して一生懸命吸収しているように見えました(笑)。
花形役者三人プラス段四郎さんの加わっての押し合いも、すごい迫力がありました。あの足の裏が攣りそうなイゴイゴした動き、すごいなぁ~なんて、どうでもいいことに感心してみたり。

長くなってしまいましたが、さよなら公演ならではのこの顔合わせ、楽しませていただきました♪
そして、今回の四天王がいつか弁慶富樫義経で競演する日も楽しみになりました。

『三人吉三巴白浪』

お嬢吉三:玉三郎
和尚吉三:松緑
夜鷹おとせ:新悟
お坊吉三:染五郎

大川端庚申塚の場単独での上演です。

染五郎さんのお坊、松緑さんの和尚は去年拝見しましたが、玉三郎さんのお嬢は初めて拝見しました~。
いやぁ~美しいですなぁ玉三郎様♪
登場しただけで、ぱぁぁ~っと舞台が華やかになるような気がします。
女の振りしている間は楚々として可憐なお嬢様なのですが、一転本性を現すところでは不良少年らしくべらんめぇな口調。なんだかタカラヅカの男役っぽいというか、女の子が男の子っぽく振舞っているように見えるのが、玉三郎様の不思議なところです(笑)。

染五郎さんのお坊はとってもキレイっすね~。やさぐれていてもどこか品があるというか。
松緑さんのお坊は、この3人では一番年下のはずなのに、二人の兄貴分という年齢逆転現象を感じさせないイキで大きなお坊っぷりでした。

舞台は節分の出来事、まさに今の時期にぴったりな演目だなぁ~と変なところに感心してしまいました。

どうでもいいことですが、今回はお弁当を買ったり食堂の予約をする時間がなく、場内の売店で購入できる甘いものばかりで食べつないでしまいました・・・coldsweats01
三階で売ってるめで鯛焼き、あんこ以外にも紅白の白玉が入っていておいしい!しかもおなかにたまる!!!ということで、一気にファンになりました~。
歌舞伎座が建て替わっても、ずっといて欲しいなぁ~

ちなみに、夜は築地場外付近のホテルに宿泊のため、終演後に夜遅くでも開いているお店でまぐろ丼を食べてしまいました・・・カロリー取りすぎだっつーの。
まぁ、こういうのもたまの贅沢でいいですよね♪

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2008年11月29日 (土)

新橋演舞場『花形歌舞伎』夜の部

新橋演舞場『花形歌舞伎』

2008年11月某日夜の部 新橋演舞場

通し狂言『伽羅先代萩』五幕

序幕 鎌倉花水橋の場
二幕 足利家竹の間の場
三幕 足利家御殿の場
    同床下の場
四幕 問注所対決の場
大詰 控所刃傷の場

乳人政岡 菊之助
仁木弾正 海老蔵
荒獅子男之助 獅童
八汐 愛之助
細川勝元 松緑

女形の最高峰と言われる政岡。
その難役政岡に菊之助が初挑戦ということで、相当無理して観にいってきました。

政岡といえば、菊五郎や玉三郎、藤十郎などなど歌舞伎界を代表する大御所が演じられるイメージなのですが。。。

思えば、大御所が演じることが多いので政岡って貫禄ある中年の女性の印象が強いのですが、若様と同じ年齢の子ども(今でいう幼稚園~小学校くらいでしょうか?)の母親なわけで、実年齢は三十前後でも不思議ではないですよね。

戦後最年少政岡ということで注目を集めた菊之助ですが、どう演じるのか??と大変興味がありました。

で、観た感想としては、けなげで一途な政岡を等身大に演じていたなぁ~なんて感じました。

眉をつぶしたあの独特の化粧に若干怖っと思ってしまいましたが、相変わらず綺麗です。
若々しい乳人のため、貫禄と言うよりはちょっとエキセントリックな感じのあるいっぱいいっぱいな佇まい。
八汐のいじめに耐える姿も健気で、思いっきり同情ヽ( )`ε´( )ノ。
主君鶴千代への忠誠を貫き殺されてしまった千松を抱いてのクドキの場面では、本当に涙を流さんばかりの熱演。すごい引き込まれました。
菊之助の「でかしゃった」、今後何十年にも渡って何度も聴くことになるんでしょうね~
初役を見ることが出きたのは良かった良かった。
おばあちゃんになってから「菊之助時代、初めて政岡をやったのを観たのよ~」なんて廻りに自慢するのが今から楽しみ♪(何十年計画になることやら・・・)

仁木弾正の海老蔵。
なんかこういう悪役をやると生き生き輝いている気がする、海老蔵。
スッポンからドロドロ~と登場する仁木弾正、客席を目をひんむいて睨みつけると、お客さんから「うわぁぁぁ・・・」みたいななんともいえないジワが(笑)。
いやぁそれくらい迫力ありましたさ。
あんな目をした男に日常生活で出会ったら、きっと見てみぬ振りしてスタコラサッサと逃げるさ。
刃傷の場面では、本当に殺しちゃうんじゃないの!?ってくらいの迫力で、思わず男女蔵逃げてぇ~と心の中で思いました。役の上とはいえ、よく冷静に芝居できるな男女蔵・・・と、役者ってすごいと再確認。
海老蔵の舞台上での美貌と華は本当に得がたいと思います。
この人の仁木弾正も今後たくさん拝見することになりそうです。

男之助の獅童。
私の観た時は、なんかモンゴル?のホーミーかよってくらい、声が割れてしまっていました。お疲れだったのでしょうか。
歌舞伎の獅童を拝見するのは初めてだったのですが、派手な衣装に負けないタッパと容姿に恵まれているなぁと感心しました。なにしろ出番が少なかったので、あまりまじまじと見ることが出来なかったのですが・・・
映画俳優として確固たる地位を築いている獅童、いつもいいお芝居を拝見しているのですが、今後は歌舞伎の獅童もいろいろ観たいです。

八汐の愛之助。
強烈な悪役である八汐、表情も台詞回しも憎憎しい~~のですが、どこか愛嬌もある愛之助。
いやみったらしい台詞回しなんですが、ついプッ( ´艸`)となってしまいそうなおかしさもあり、いいのか???と思いつつも結構好きでした、愛之助の八汐。
化粧のせいか、芝居や表情の作り方のせいか、仁左衛門丈を思い出しました。

細川勝元の松緑。
仁木弾正に殺されかけ、ボロボロになっている外記に向かって「舞え」と命令するSな細川勝元。なんなんだ~(笑)。
そんな理不尽な役を、さらりと演じる松緑。まあ、歌舞伎の理不尽にいちいち引っかかっていては、歌舞伎俳優はやっていられませんな。
この方の声は、スコーンと澄んでいて聞いていて心地よいです。
動作もきびきびしていて、陽性の魅力のある役者さんだと思います。

他は、花水橋の足利頼兼の亀三郎がおっとりふんわりしていて印象に残りました。
この方も声がとっても綺麗で台詞回しがいい。
外記の男女蔵はおじいちゃん役で実年齢とのギャップが激しかったですが、歩き方や仕草をいろいろ工夫されていました。
栄御前の右之助もさすがの貫禄で、高貴な意地悪婆さんを演じていらっしゃいました。
花形役者中心の舞台でベテランの役者さん達も活躍されていました。

花形歌舞伎での伽羅先代萩の通し。
一緒に手に汗握って見守る感覚というか、観劇しているこちら側も巻き込まれて、熱気のある舞台を楽しく拝見しました。

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2008年7月22日 (火)

春調娘七種@松竹座七月大歌舞伎

7月の3連休を利用しての関西一人旅。
そもそもの目的はサッカー観戦や劇団四季の『ウェストサイド物語』観劇だったのですが、ついでに京都に行って祇園祭の雰囲気を味わいたいなぁ~なんて考えていました。

しかーし、あまりにもの暑さに恐れおののいた私・・・coldsweats02

2日目の朝は松竹座へ行って幕見しようと唐突に思い立ちました。

七月大歌舞伎(松竹座)

午後1時からは京都でウェストサイドを見る予定にしていたので、昼の部1幕目だけを幕見させていただくことに。

春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)

曽我五郎時致  松 緑
曽我十郎祐成  菊之助
静御前  孝太郎

20分という短い舞踊。
五郎松緑、十郎菊之助はデジャブ感が。。。って、6月の博多座でも同じペア、同じ役での別演目を上演したばかり。

このうだるような暑さの中、舞台の上では春の七草をめぐる曽我兄弟と静御前という、お正月用のめでたい演目。き、季節感が(笑)

朝イチの演目ですが、菊之助はあいかわらずのスキのない美しさ~。
ちょっとカクカクした動きもあいまってcoldsweats01人形のようなキレイさです。

五郎の松緑もキビキビして血気盛んな若武者っぷり。
格好いいっす!!

紅一点の静御前孝太郎も、赤い着物がとっても似合っててキレイでした。

いやぁ~時間作って観にいってよかった♪
短い時間でしたが、まさに非日常の空間を味わうことが出来ました。
歌舞伎もっと観たいなぁ~

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2008年2月28日 (木)

大阪松竹座『特別舞踊公演』

大阪松竹座『舞踊特別公演』

2008年2月24日(日)昼公演 大阪松竹座

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一、連獅子

狂言師右近後に親獅子の精 海老蔵
狂言師左近後に仔獅子の精 右近

海老蔵の獅子は本当に綺麗っすね~
顔の造作ももちろん美しいのですが、とにかく荒削りな精悍さと劇場中に発散される華やかさは本当に舞台の申し子だなぁ~なんて毎度思います。
親獅子は初挑戦??らしいですが、海老蔵のは若いだけあって躍動感もあり、生き生きとしていました。
不器用ながらも一生懸命子どもを育てている、若きパパっぽさのある、精悍な親獅子って感じでしょうか。

右近くんは本当に15歳????って思うくらい、達者な舞踊で目を奪われました。
日舞については正直よく分からないのですが、そんな素人目に見てもキレの良さや止まった時の形の美しさは素晴らしいなぁ~と思いました。

結構頻繁に上演される演目であるこの『連獅子』、やはり面白いです。
松羽目ものでは睡魔に襲われがちの(笑)私でも、ワクワク心躍るものがありました。
獅子姿って、やはり歌舞伎の醍醐味ですよね・・・本当に格好いい!!

二、京鹿子娘二人道成寺~道行より押戻しまで~

白拍子花子 玉三郎
白拍子花子 菊之助
大館左馬五郎 海老蔵

はぁ~~いいモン観させてもらいました・・・
華やかな舞台に当代随一の美貌の俳優陣、なんという贅沢な舞台なんだっ!!

妖艶な玉三郎さまに清廉な菊之助さま。←もはや「さま」付け
お二人がシンメトリーに、時にはアシメトリーに並ぶ様は、本当にこの世のものとは思えない美しさです。
あ~地球に生まれてよかった!!(織田裕二風)

登場シーンからして花道をテクテク歩いて出てくる菊之助花子とスッポンからスルスルと出てくる玉三郎。
菊之助は初々しい生身の娘であり、玉三郎はこの世の者ではないおどろおどろしさがあり、同じ花子ではあっても、単純に「分身」というよりは「肉体」と「魂」という関係なのかなぁと思わせるものがありました。

しかしこの『道成寺』モノはすごい大曲っすなぁ・・・
引き抜きのために何重にも着込んだ衣装を軽々と扱い、踊りっぱなしの激しい舞踊を息も上げず眉ひとつ動かさずこなしていく姿は、見た目は美しい娘とはいえやはり男らしい!!格好いいなぁ~~lovely惚れます!!

この大阪公演では特別についていた「押戻し」。
成田屋のお家芸だそうで、海老蔵も舞台上で團十郎もよくやっている~みたいなことを言って笑いをとってましたな。
玉三郎も菊之助も隈取しているわけですが、なんか妙にかわいく見えたのは私が3階で見ていたせいでしょうか(笑)。
でも、この勇壮な「押戻し」を見ることが出来、なんか得した気分になりました。

いやぁ~行ってよかったぜ『特別舞踊公演』!!
思っていた以上に素晴らしく、短い時間でしたが堪能いたしました。

松竹座もすごく綺麗でいいハコでした。
ちょうど雪の降った日にもかかわらず、着物の方も多数お見受けし、華やかな雰囲気でした~

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2007年11月24日 (土)

『吉例顔見世大歌舞伎』夜の部

歌舞伎座11月『吉例顔見世大歌舞伎』夜の部
2007年11月17日夜の部、3階席での観劇です。

『宮島のだんまり』

この「だんまり」システム、歌舞伎初心者の私にはいまいち分かりづらいのですが・・・
でも歌舞伎らしい衣装を着て歌舞伎らしいポーズをとる豪華出演者達を観ていると「歌舞伎だなぁ~」なんて思えるのいいっす。
福助の盗賊姿がきれいでした~。

『九段目』

仮名手本忠臣蔵の「山科閑居」という有名な演目。
初観劇でしたが、一面の雪の静寂と人間ドラマの対比が美しいです。
戸無瀬の芝翫、立ち居振る舞いがきれいで、いかにも武家の奥方という雰囲気が素晴らしいです。絵になります。。。
小浪の菊之助も白無垢姿が美しい~~~。一途で世間知らずなお嬢様っぽさが良かったです。
幸四郎、なぜか私が拝見する時は弁慶姿ばかりなのですが(笑)、今回は小浪のお父ちゃん。気高い武士姿もステキです。
吉右衛門は私の中では永遠のあこがれの武蔵坊弁慶さま(幼い頃見たNHKの時代劇)ってことで大好きな役者さんなのですが、大星由良之助も良かったです。
染五郎の力弥はあまりしどころのない役のようですが、若々しさと清潔さは伝わってきましたよ~。ちょっと前に見た「朧の森の~」と同一人物とは思えない。。。今度春興鏡獅子するようなので、見てみたいなぁ。

『土蜘』

以前NHKの放送で観たことがあったので、ストーリーなどなどは頭に入ってました。
が、しかーし、どうも私はこの手の能仕立ての演目が苦手なのか(そういや博多座花形の『船弁慶』もヤバかった・・・)、スイマーもとい睡魔に襲われがちになるのです・・・
今回も一瞬意識不明に陥ることがありましたが「寝るなー!寝たら死ぬぞーーー!!」くらいの勢いで頑張って全篇見ることができましたでありますっ!!
しかし豪華キャストのこの演目、見所が多すぎです。。。
でもやはり土蜘である菊五郎の存在感はバリバリすごかったです~。

『三人吉三』

超~有名な演目の超~有名な場面ってことで、若手の三人がどう演じるか、楽しみにしていました♪
お嬢とお坊はキレイで上品過ぎるせいか(笑)あまりならず者には見えないんですが、それもこの人たちらしさなんでしょう。
しかし松緑はこの演目出演のためだけに1ヶ月歌舞伎座に通ったんでしょうか??他の演目には出てなかったような・・・まぁ松緑さん好きなんで、拝見できてよかったですけど(笑)。

顔見世ってことで、若手から大御所までやたらと豪華な出演陣で、お得感ありました♪
(まぁその分チケット代はお得じゃないみたいですが・・・)
人間国宝何人いるんだ??って感じでした。

あと、今回の公演で収穫だったのは四季劇場[海]マチネ→歌舞伎座夜の部のハシゴ、意外とスムーズにできるってことが分かったことでしょうか。
今回は歌舞伎座が4時40分開演というちょっと押し気味だったので余計に余裕でしたが、おそらく通常公演も大丈夫っぽいです。
歌舞伎座と帝劇や東宝もなんとかできそうですし、新橋演舞場なんてスキップしながらでも行ける距離だし、この辺りは劇場が密集していていいなぁ~なんて思います。演目選び放題ですね。

また次上京した時は、いろいろハシゴしてみたいなぁなんて思いました。

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2007年10月12日 (金)

御園座『第四十三回吉例顔見世』夜の部

10月7日と8日の夜の部を観てきました。

『鳴神』

鳴神上人:團十郎
白雲坊:右之助
黒雲坊:市蔵
雲の絶間姫:菊之助

團十郎と菊之助の組み合わせということで、かーなーり楽しみにしていたこの演目。
私が名古屋行きを決定したのも、これを観たかったってのがありまして。

團十郎の鳴神上人、登場の重厚さと終盤の荒事での激しさがさすがの迫力。無理やり酒を飲まされ酔っ払っていく様もおおらかな感じで、ちょっとコミカルでいい感じ。
しかし荒事芸は素晴らしいの一言。あの團十郎のでっかい目で見得をされると本当に迫力あって「歌舞伎観た~~~」って気にさせられます。

菊之助は花道からの登場シーンからしてただならぬ美しさを発散させてて、本当にキレイ。絶間姫のちょっと微妙なヅラも似合う似合う。美しいだけではなくて、女官としての品格や鳴神上人をもふりまわす押しの強さもあり、なかなかの絶間姫っぷりでした。

しかし、鳴神上人と雲の絶間姫の年齢差があるせいか、なんとなく鳴神上人が「美人だが気の強い息子の嫁と二人っきりになってしまい、ご機嫌取るために必要以上にハイテンションになっているパパ」に見えなくもない感じがしました(分かりづらい例えですんません・・・)。
実際菊之助は息子の同級生なわけでまさに親子ほどの年齢差があるっていうのもあるし、菊之助の色気が若干足りないっつーのもあるし、鳴神上人が妙に天然ボケキャラに見えるっていうのもあるんですが・・・。まぁ、あっけらかんとしていていいコンビだと思いました。

ストーリーは分かりやすくて見せ場も多く、華やかで「歌舞伎を観た~」と思わせてくれる作品です。こういう演目を最初に観ると、歌舞伎って面白い!って素直に思えそうです。
またこのコンビで見てみたいなぁ~~~

『達陀』

僧集慶:菊五郎
青衣の女人:菊之助
堂童子:松緑

実は子どもの頃から奈良が好きで、卒論も奈良時代で書き上げたくらいの奈良オタクな私。
数年前には東大寺二月堂の「お水取り」も一人で見にいきました。(もちろん中には入れず外の広場であの松明を走り抜けるところをひたすら見てるだけでしたが・・・)

この『達陀』はそのお水取りの儀式をまさにテーマにした舞踊で、個人的には非常に感動しました!!特にラストの紙ふぶきはお水取りのクライマックスで舞い散る火の粉そのもの、あの高揚感を見事に舞踊化しているなぁ~と感心しきりでした。

この演目の初演は昭和四十二年と新しいもので、一般的な歌舞伎を想像して見ると面食らうでしょうね~。
まず客席が暗い(笑)。私も演目が始まるとともに客電が落とされたのはちょっとびっくりしました。
それから照明を多用していること。松明の明かりが部屋にうつろう場などは本当にきれいでした。
他にもセットが非常にシンプルであることや録音の声を多様していることも歌舞伎らしからぬ雰囲気を出しています。
そしてなにより、僧侶の群舞!!なんとなく宝塚の日本舞踊の総踊りに通じるものがあるなぁと思いながら見てました。

僧集慶の菊五郎。頭ツルツルで、あの品のある美貌に磨きがかかっているような(笑)。
しかし青衣の女人と踊り、その後は練行集とともに迫力ある群舞を披露と、すごい体力を使う演目にもかかわらず、息一つ乱れないなんて本当にすごい!!感動しました。

青衣の女人の菊之助、すっぽんの登場もこの世のものとは思えない美しさ。菊五郎と踊る姿は本当にきれいで、一対の人形のようでした~~。最後、くるくる~とすっぽんへ消えていく姿も美しく、菊之助なりの女形としての美学ってものを勝手に感じましたぜ。

まぁこの演目のすごいところといったら、やはり終盤へ向かってどんどん盛り上がっていく群舞じゃないでしょうか。老いも若きも人間国宝から3階さんまで、いろんな俳優が同じ板の上で同じ振りで踊る。まさに一糸乱れぬという感じで、この高揚感は素晴らしいです~。
これだけのレベルの出演者を集めるのってなかなか難しいとは思いますが、今後もぜひ見てみたい演目ですね。

『義経千本桜~川連法眼館の場』

佐藤忠信実は源九郎狐:海老蔵

有名すぎる演目ですが、今回は猿之助のバージョンとか。
宙乗りがあるんですよね~~海老が空を飛ぶっ!!

海老蔵の狐君、なんかかわいかったです♪っつーか、こちらの想像以上に子ども狐っぽさを出していて、しゃべり方とか工夫しているんだろうな~と思いながらもちょっと怖い(笑)。でもこの方運動神経いいんでしょうね~、いろんな仕掛けを息も乱れずこなしているのには感心しました。
ラストの宙乗りは、本人が一番楽しんでるだろう?って思うくらい「いつもより余計に振ってます~」って勢いでした。いやぁ~2階席でよかった(笑)。

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2007年10月11日 (木)

御園座『第四十三回吉例顔見世』昼の部

御園座『第四十三回吉例顔見世』

10月8日の昼の部を拝見しました。

歌舞伎十八番の内 毛抜』

粂寺弾正:尾上松緑

巨大毛抜きが踊りだしたり、お姫様の髪の毛がドロドロ~と逆立ったり、けっこうユーモラスなシーンがたくさん出てくるこの作品。しかも謎解きミステリー的要素があったり、お家騒動の陰謀を正す勧善懲悪的なストーリーがあったり、はたまた主人公がかわいい若衆や腰元にちょっかい出してあっさり振られるというちょっと色っぽいコメディありと、さすが何度も繰りかえし上演される作品は面白いですね~

主演は松緑丈、声がでかくて表情もくるくる変わり、華やかで明るい、いい役者さんです。
朝イチの上演にもかかわらず、元気いっぱいなのがいいです(笑)。
舞踊は当然ですが安定して上手いし、見得もいちいち決まって気持ち良い。

今回初めて観た演目ですが、分かりやすくて本当に楽しめました。

『色彩間苅豆 かさね』

かさね:尾上菊之助  与右衛門:海老蔵

今回は三等席で観劇だったのですが、遠くからでも本当に美しい~~~ご両人です。
最初の登場、七三で二人が並ぶと、客席から感嘆の声が漏れてました。

与右衛門役の海老蔵。
7月に足の裏に怪我をしたということで心配もありましたが、ガンガン踏み鳴らしていたし大丈夫そうですね。安心しました。
とにかく美しく、こういう色悪な役は本当に似合います。
ラスト、かさねに操られながら花道を行き来するところなんか迫力ありました。

かさね役の菊之助。
いやぁぁ~キレイでした。登場シーンは16歳位の純情な女の子なんですが、中身は三十路のおっさん(おいっ!!!)なのに、なんでこんなに可憐なんでしょうか(笑)。
後半は呪いがかかって足を引きずり、顔の左半分が崩れてしまうという恐ろしい場面なんですが、迫真の演技で怖い反面、与右衛門への変わらぬ愛情が切ないです。左半分は崩れているのに右半分は元の美しい顔のままというのも、より哀れというか、やはり切ない。

『権三と助十』

権三:團十郎  おかん:魁春
家主:左團次  彦兵衛:田之助
助十:菊五郎

世話物ってことで、言葉遣いも現在とさほど差がなく、非常に分かりやすかったです。
こういう江戸の市井の雰囲気が満載の作品ってすごく好きです。

團菊左そろいぶみも含め、出演者がことごとく豪華!!
大らかな團十郎に喧嘩っ早い菊五郎、二人の持ち味がすごく現れてていい配役だなぁと思いました。
印象的だったのは、唯一の悪人である左官屋勘太郎の團蔵。
大柄な体格にシャープな顔立ちで、酒と肴を持って近づいてくるだけで怖いオーラでまくり。非常に好きな役者さんですね~。

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2007年9月 9日 (日)

『松竹大歌舞伎』呉公演

9月8日土曜日、呉へ行ってきました。一人で♪
目的は歌舞伎の巡業公演観劇でございます。

まず、朝から家を出て昼前に呉到着。
以前行ったことのあるカフェ「エミュ」でランチ。
あまり時間がなかったためゆっくりできませんでしたが、美味しいランチで楽しみました。

それから急ぎ足で呉文化ホールへ。
今回の『松竹大歌舞伎』は二代目中村錦之助の襲名披露興行ということでかーなーり楽しみにしていました。

錦之助さんといえば『十二夜』の大篠左大臣、上品できれいな透明感ある男前っぷりでファンになった役者さん。
今回もスッキリとした二枚目っぷりを発揮してらっしゃいました。

あーしかし今回の巡業はスッキリ美形がそろってましたな。
梅玉さん、時蔵さん、松江さん、梅枝くんなどなど・・・そんななかで松緑さんの濃いぃぃキャラがインパクト大!!いやぁ~良かったです♪

今回は結構前方のお席で、花道がわりの舞台袖が目の前!
(でも5,000円!!)超~お得♪
間近で観る松緑さんの舞踊はキレがあって本当に迫力がありました。梅枝くんも美しい上に達者で、今後の活躍が楽しみだなぁ~。

全然関係ありませんが、ホールへ向かう途中に浴衣を着て携帯かけてる時蔵さんをお見かけしました。
な、何故ホールの外で電話??楽屋電波届かないとか??
まぁ、誰かと待ち合わせでもしてたんじゃないかと思いますが・・・
ちょっとお得な気分になりました♪

久々の歌舞伎でしたが、やはりいいなぁ~と思いました。
前日に観た劇団四季『夢から醒めた夢』もそうですが、こういう非日常の空間で過ごすことはいいもんです。。。

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2007年7月10日 (火)

七月大歌舞伎『NINAGAWA十二夜』

七月大歌舞伎『NINAGAWA十二夜』

サッカー観戦と抱き合わせ?で『十二夜』も観てきました♪
初日昼の序幕と二幕目を幕見、翌日8日昼を3階席で観劇です。

2列目で見た博多座とは違い、天井桟敷の住人となった今回の観劇でしたが、上から見る舞台も非常に良かったです♪
特に照明の美しさ!
序幕第二場の海の場面、最初のきらめく波間も嵐で荒れる海もどちらも本当にきれい。
っていうか、ああゆう照明も歌舞伎座にあるんだ・・・と、歌舞伎初心者の私は驚くばかり(笑)。
幕開けの鏡、歌舞伎座でもおおいにウケてましたね。
照明が落ち、舞台上の鏡が透けて桜吹雪と美しい衣装を身にまとった鳴り物と子ども達のコーラス。このシーンの美しさは歌舞伎のみならず様々な舞台をふくめても傑作の部類に入るんじゃないでしょうか~。
内容は博多座とほとんどかわりなかったようですが(そりゃそうだ)、役者さんたちは更にこなれてきた感じ。

菊之助、出が多い上に昼夜同一公演、しかも2ヶ月連続ってことで相当消耗しそうですが、若いってすばらしい(笑)、声も絶好調で肌もツルツル、全然そんなそぶりも見せてませんでした。
斯波主膳之助の時の凛々しさ、獅子丸の時のかわいらしさやコミカルさ、そして琵琶姫の時の神々しいような美しさ、どれもすごーいなぁ~~とため息が出るような出来栄え。(あぁなんてバカっぽい感想・・・)
舞台の大半は「獅子丸」として登場する菊之助ですが、男である菊之助が女形として「琵琶姫」を演じ、その琵琶姫が小姓「獅子丸」として男の振りをする。ここまででも充分複雑なのに、二幕の幕開きは男の「獅子丸」が若衆踊りとして女踊りを披露する。さぁ、訳が分からなくなってきました(笑)。
でも、この二幕冒頭のシーン、非常に好きです。
菊之助の丁寧な舞踊ももちろん美しく素敵だなぁと思うのですが、踊っている最中に時折ちらっと大篠左大臣(錦之助)の方を見るのが非常に色っぽく、そして切ない。
そして舞いの後、左大臣に妹の話として自分の切ない恋心を訴える獅子丸。ここが切なくて毎度涙が出てきそうになります。
しかし、3階から見る菊之助は、むきたてたまごのようでした(笑)。
いや、ホメてるんですよ、これでも。

亀治郎の麻阿はさらにパワーアップしていたような。
最初の出でお菓子をつまむところ、手についた粉をウザそうに払ったりぺロッとなめたり。あぁあなたはどんな女性を見てその仕草研究したんだろうって大笑い。
悪知恵の働く機知に富んだ侍女の役なのですが、相当えげつない悪巧みの割には憎めない、かわいい女の子を見事に演じてます。
仕草の一つ一つが面白かったりかわいかったり、その一挙一動に客席も反応してる感じがあり、ノってるなぁ~と思いました。

翫雀の安藤英竹はキザっぽさがさらに増してたんでは??
アホなんだけど自覚あるアホというか、貴族としての気品や色っぽさも残しつつアホやってるって風に見えたんですがどうでしょうか。
この役を見て、翫雀けっこうファンになりました。
(って、それって役者にとって嬉しいんだろうか(笑))
しかし白塗りした翫雀さんはときどきはっとするほど扇千影さんに似てます。

個人的には河原崎権十郎の声にホレました。
菊之助との場面では、二人の美しい声についつい睡魔が・・・(おいっ!!)

そして菊五郎丈の丸尾坊太夫と捨助。
捨助の軽妙さと坊太夫の重厚なふてぶてしさ、この二人を行き来して完全に別人に見えるのって、なにげに凄いと思いまーす!!
つーか、マルヴォーリオとフェステを同じ役者が二役でするって、シェークスピア劇ではありうるんでしょうか?

歌舞伎らしくないと言われればそれまでですが、私のような歌舞伎初心者の蜷川舞台好きにはもってこい!な作品です。
(でも天保十二年のシェークスピア等と比べると、とっても歌舞伎らしいんですけどね~)

そういえば、初日の幕見は何かのガイドブックを持った外国人の方がたくさんいらっしゃいました。
まぁ幕見は結構外国人観光客の方も多いのですが、今回は超有名なシェークスピア喜劇が原作だったからか、本当に大勢いらっしゃったような。
菊之助は海外に持って行きたいみたいですが、シェークスピアのお膝元で何処まで通用するか?見てみたいというか、こういうチャレンジは応援したいですね♪

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