『鬼に訊け-西岡常一の遺言』
法隆寺の宮大工棟梁の家に生まれ、法隆寺解体修理や法輪寺三重塔、薬師寺金堂・西塔などの再建を指揮した西岡常一棟梁へのインタビューや仕事の様子などをまとめた映画です。
西岡常一棟梁については、昔からNHKの特集番組で拝見する機会が多く、その業績と共に人柄や名言なども印象的なものが多く、以前から尊敬していた人物でした。
NHKのプロジェクトXでも拝見したような。
そういう様々なドキュメンタリー番組から抜粋し、新しい映像や周辺の関係者の方々へのインタビューを追加して映画という形態に仕立て直したのが本作。
「法隆寺の鬼」とまで言われた仕事へのストイックさ、頑固さとは裏腹に、インタビューでみせるユーモアや理路整然とした話しぶり、本業の建築だけでなく歴史や植物学などにも精通した知識の深さなど、本当に魅力的な人物でした。
映画の中で語られる、生前のインタビューの内容では、映画館内で笑いが起きるほど、人を引きつけるセンスのある方。やわらかな語り口は関西弁ではありますが、とってもわかりやすく、威厳を保ちながらサービス精神旺盛な雰囲気。
まぁ、本当にすごい人です。
人物像や業績については、出版物のほかWikipediaがよくまとめられていたのでご参照までにご紹介します。
しかしこの映画、できれば子どもたちに見てほしいなぁ~。
古代の道具を復元したヤリガンナでヒノキをツツーーーと削るところや、事前に作ったパーツを次々に組み合わせて大きな建造物を作り上げていく「木組み」の様子などは、小学生の男の子あたりは食い入るように見つめて憧れをもつのではないでしょうか。
大工に憧れる子どもって最近は減っているようですが、こういうホンモノの職人技を子どもたちに見せる機会って重要じゃないかなと思いました。
できれば、小学校や中学校の特別授業で映画を上映して欲しいくらい。
まぁ子どもだけでなくても、大人でも充分心ときめかせるものがありますけどね、宮大工の職人技って。
木を、自然を「神」として敬い、だからこそ薬師寺で使用された台湾の木を伐採した後に苗を植えたという話には心動かされました。
日本国内には既に寺院建築に使えるほどの樹齢の大木がないというのも残念な話ですが、はるか将来を見越して植樹という点では江戸時代東大寺大仏殿を再建させた公慶の例もあるようにとっても日本的で伝統的なことだなと思いました。
地味~な映画だとは思いますが、本当にオススメな作品。
仕事を持っている人にとっても、きっと西岡棟梁の生き方は共感できる部分があると思います。
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