シネマ歌舞伎『蜘蛛の拍子舞/身替座禅』
歌舞伎座さよなら公演で上演された2作品の二本立て。
さよなら公演だけあって、出演者がとっても豪華です。
今回は広島の「八丁座」で拝見しました。
いつも大変お世話になっている、シネツイン・サロンシネマ系列の劇場~。
広島市内中心部の映画館がどんどん消えていく中(東宝系列の宝塚会館もついに閉館が決定されてしまったそうで・・・)、昨年開館したこの「八丁座」はオープン以来盛況のようでなにより。
この「八丁座」はとことんこだわりを持って作られた映画館というころで、本当に非日常の世界!!
座席は幅も前後も充分すぎるほどゆったりしたソファ席で、肘掛も独立していて荷物や飲食物が置けるテーブルまであって至れり尽くせり。(歌舞伎座のせまくて人がすれ違うのも大変だった座席とは大違い。。。)それもそのはず、改装前の映画館から比べると、座席数は半分以下になっているとのこと。
ソファのほかにも靴を脱いで上がる畳席や最後列で後ろの人を気にせず観られるカウンター席もありました。(カウンター席、テーブルに肘ついて見られるのがなんとなく劇団四季のバルコニー席を思いだしました)
飲食も、和カフェyusoshiなどでおなじみのjellyfish.が出店しているので、普通の映画館のコンセッションとは違い、こだわりのドリンクや食べ物、おつまみがいっぱいで楽しかったです。今回はほうじ茶アイスをいただきましたが、価格も手ごろでとてもおいしかった♪
こちらの映画館は和モダンがコンセプトだそうですが(そういえば観客の年齢層もかなりお高め・・・)、緞帳があったり提灯があったり、まさにシネマ歌舞伎を見るに最高の環境だなぁ~と思いました。
座席に関しては前述どおり歌舞伎座を凌駕しています(笑)。
そんなステキ空間で見るシネマ歌舞伎、本当に最高~なひとときでした。
っていうか、こんなリラックスできるソファに座り、私の鬼門である舞踊劇&松羽目物を3時間に渡り見る・・・絶対寝る!!と思っていましたが、どちらも演者が素晴らしく、内容も展開のある作品だったため、なんとか完走しました。
(『船弁慶』でやたらと睡魔に襲われるのは、もしかしたら作品との相性の問題なのか?)
この劇場での初日だったせいか、八丁座の座元・・・もとい館主の蔵本社長自らマイクをとっての舞台挨拶付き。
ビシっと着物を着ていらして、それがまたこの日の演目にぴったりでした。
歌舞伎オタクでいらっしゃることもわかり(玉三郎と菊五郎贔屓との事・・・話が合いそうだ)、今後もぜひシネマ歌舞伎を上演してくださいと、心の中でお願いしときました(それじゃ伝わらないーーー!!)
『蜘蛛の拍子舞』
玉三郎がとにかく素晴らしかったです。
スッポンからの登場シーン、顔を隠しているのに姿だけでただならぬ雰囲気、美女オーラ全開。
シネマ歌舞伎で見ると、本当に演者の表情や指先の表現などがよくわかります。
玉三郎というとやはりあの美貌や舞踊に注目してしまいますが、私はあの演技力、表現力こそすばらしいなぁ~といつも思うのです。
女形にこの言葉はいいのかどうかわかりませんが、とにかく格好いいのです。
菊之助、松緑と並んで紅葉の枝を持って踊る場面がありますが、他の二人に比べても圧倒的にいちいちキマってる。枝の角度がいいのか、自分の顔とかぶったり他の人にかぶったりというのが全くない。
バレエの先生によく「踊ってる最中はどこを切り取ってもシャッターチャンスになるような踊り方をしなさい」と言われるのですが、玉三郎の舞踊は、本当にどこを切り取っても絵になるようなキマりっぷりなのが凄いなぁと思います。
ご贔屓の菊之助もたくさん見ることができ満足です。
やはり声がきれいだよなぁ~(*´ェ`*)
しかし、時代物で立役をするときは白塗りに病鉢巻が多いんだよなぁ~私が見た演目が偏っているせいもありますが。
『身替座禅』
近年、勘三郎でやたらと上演されているような気がするこの「身替座禅」。わかりやすいし笑える楽しい内容なので、人気なのもうなずけます。
初演は六代目菊五郎と七代目三津五郎だったそうで、孫と曾孫で上演するということで話題になりましたな。
勘三郎は本当に映像栄えするというか、細かい演技が本当に上手いので、くるくる変わる表情が映像で見ると本当に素晴らしい。
かわいい愛人である花子に会いたい一心で浮き立っている様子も、奥方に頭が上がらない様子も、ほんまにリアルで(笑)。
三津五郎と彌十郎の息子さんも侍女役で出てましたが、巳之助(三津五郎ご子息)は見た目はかわいいけど声が低く、新悟(彌十郎ご子息)は声は女形向きのきれいな声色だけど身長が相当高い。お父さんの後を継ぐならどちらも立役だろうけど、今後が楽しみです。
鬼嫁玉の井の三津五郎、『蜘蛛の拍子舞」では押し戻しで超~いいとこ取りのかっこよさでしたが、こちらでは本当にひどい(笑)奥方役。芸達者です。
しかし楽しかったです~。
最近めっきり歌舞伎観劇できてないので、久々に和の成分をタップリと吸収できました。
広島にはめったにシネマ歌舞伎がこないのですが(去年松竹系シネコンが広島にも出来たので、ボチボチ上演してくれるのではないかと期待していますが。。。)、こんなピッタリな劇場があるのだから、ぜひ今後も上演をお願いしたいところです。
フィルムマラソンの企画とか、なんとかやってもらえんでしょうか。
(寝る人続出になりそうですけど)
・・・シネマ歌舞伎は普通の映画とは契約などいろいろ違うみたいなので難しいかもしれませんが・・・
非日常な空間で、非日常な芝居の世界へ。
2000円とちょっとお高めなのですが、上質な3時間が過ごせました。
| 固定リンク

