『私の中のあなた』
白血病の姉ケイトのドナーとして、遺伝子操作され産まれたアナ。11歳になったアナは、勝率91%の敏腕弁護士のもとを訪ね、「両親を訴える」と、訴訟での弁護の依頼をする。姉のドナーとして産まれたときの臍帯血にはじまり数々の手術を受けてきたアナは、予定されている腎臓摘出を拒否したいというのだ。弁護士のキャリアも捨て、いろんなものを犠牲にしてケイトの命を救うためにすべてをかけて生きてきた母サラ。家族もみんな同じ思いだと信じていたサラは、アナの突然の行動に驚愕しつつも、自ら法廷に立ってアナと闘う決意をする。
ネタバレに御注意下さい![]()
「泣ける」とか「感動」とか宣伝では言われていますが、なんかそれ以上に重くて考えさせられる作品だなぁと思いました。
遺伝子操作での出産や幼い子のドナー提供、延命治療と未成年者の意思、訴訟社会など、アメリカらしさや現代社会の抱える問題もたくさん詰め込まれていました。
どれも自分たちには身近な問題ではないけれど、今後日本もこういう方向に行ってしまうのかなあ~みたいな漠然とした不安を抱えるというか。
ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァ、アナ役のアビゲイル・ブレスリンが良い芝居していました。
とくに白血病患者役のケイトは熱演でした。だんだん弱っていく姿が本当のようで、病気に苦しみつつも家族を思い、特に自分に尽くしてくれた母への感謝の気持ちと「赦し」の心をさりげなく表現していたような。
アナも、心の内側に強い意志秘める役で、複雑な彼女の心情がよく伝わりました。
姉の命を救いたいという気持ちと、姉の願いを叶えてあげたい・・・という、相反する気持ちの葛藤を、静かなまなざしで表現しているというか。
重い病気のケイトとドナーとして生まれてきたアナという、家族の中心から外れてしまった兄ジェシーも気の毒で印象に残りました。
街を徘徊し、夜中にどんなに怒られるか・・・と思い家に帰ったら、父親から「お前も眠れないのか?」といわれる兄。自分が家にいないことに気付いてさえもらえない、家族の中での疎外感に幼い頃から悩んでいます。幼いころも、失読症になりながらも家族の関心は向けられず、1年間施設に預けられてしまうという経験も、家族に厄介払いされたというトラウマになってしまいます。
それでも病気の妹ケイトのことは心から心配しているし、彼なりに二人の妹のために何かしようとする姿には心打たれました。
一日も長く生かせることが重要と考える母と、たとえ命を削っても一つでも娘の希望を叶えてやろうとする父、自分の家族が死に直面した時、誰もが選択を迫られる問題だと思います。
自分だったらどうするんだろう~?と考えさせられました。
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