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2009年3月 1日 (日)

『おくりびと』

『おくりびと』

チェロ奏者の大悟は、所属してるオーケストラの解散によって音楽家としての道を諦める。妻・美香とともに故郷の山形に帰り就職活動を始めるが、軽い気持ちで面接に行った小さな会社で即採用となってしまう。その仕事とは、御遺体を整え棺に納める仕事、「納棺師」だった

日曜のファーストデイ、アカデミー賞受賞直後ということで、リバイバル上映にも関わらず劇場は本気の満員でした。
そのせいもあってか、上演中も携帯鳴りまくり、電話に出て「もしもし~」とかやってる人もいて、ちょっと・・・と思いつつ、まぁ普段映画館に足を運ばないような人もたくさん観に来ているということでしょうか。

主演の大悟演じる本木雅弘の所作がなんとも美しい。
横たわる御遺体に対し最大限の尊重と愛情をもって粛々と行われる作業は、まさに崇高な儀式であることを思わせます。
「穢れ」という考え方のある日本においては、死と向かい合う職業はいろいろな偏見があり、この映画でも何度も描かれていました。
しかし死とは誰にでも訪れるものであり、また悲しみととまどいに暮れる遺族や関係者にとっては納棺師や葬儀社の職員というのは本当に頼りになるありがたい存在であり、彼らなしには故人を見送ることも困難なのです。

そういう重いテーマを扱いながら、笑いやちょっとした下ネタなども織り込まれています。
葬式&お笑いというと伊丹監督の「お葬式」という映画もありましたが(そういえばこっちも山崎努が出てますな)、笑ってはいけない場所であり、遺族達も慣れないことなだけに、面白エピソードには事欠かないんでしょうねぇ。
映画を観ている観客も、笑っちゃいけないんだけど、笑ってしまう・・・みたいな、妙な空気が流れてました。

庄内地方の雄大な四季、暖かく響くチェロの音楽というオブラートに包まれ、死をテーマにした人間ドラマをガッツリ見ることができる作品でした。
アカデミーの皆さんにとっては、日本特有の儀式をテーマにしたこの作品がどううつったのかわかりませんが(ルーズソックスなんてなんぞや?って感じだったろうに~)、誰にでも、アメリカ人でもアカデミー会員でも平等に死は来るわけで、そういう親近感??みたいなものと日本の知られざる風俗が良かったんではないでしょうか。

アカデミー賞云々は置いといても、映画史に残る名作だと思います。

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