『あるスキャンダルの覚え書き』
ドラッグや暴力が蔓延する荒れた学校で教鞭をとるバーバラ(ジュディ・デンチ)は、定年まであと1年というベテラン教師。結婚も恋愛もせず一人で孤独に暮らす彼女は、その厳しい言動や気難しい性格で周囲からは浮いた存在だった。ある日、彼女が勤務する学校にシーバ(ケイト・ブランシェット)という美術教師が着任してきた。有名な経済学者の娘で年の離れた夫と二人の子どもというアッパーミドルの幸せな家庭を持つ美貌の女性・シーバだったが、彼女もまた、心に孤独を抱えていた。そんなシーバを一目見たバーバラは、自分の探していた理想の女性が現れた・・・と心を躍らせ、次第に彼女に近づいていく。順調に友情を育む二人だったが、ある日、バーバラはシーバと男子生徒の密会現場を目撃してしまう。裏切りに絶望するバーバラだが、この秘密を逆に利用して彼女を支配することを思いつく。そして、その過程を長年書き続けている日記に克明に書き綴っていく。
ジュディ・デンチとケイト・ブランシェット。
両者ともオスカー女優であり(そういえば二人ともエリザベス1世だっ!)、その演技力の高さには定評のあるベテラン女優ですが、この二人の演技力、なりきり能力には本当に脱帽!な作品でした。
ジュディ・デンチ、この人の作品はいろいろ見てますが、本当にキャラクターつくりはすさまじいです。今回はオールドミス(死語)の厳格な歴史教師ですが、ちょっと品のない歩き方とか不躾な目線とか、彼女の生きてきた環境がすべて外見に表れてました。
ストーカー気質のバーバラですが、そういう性格も視線や仕草で表現されているし、もう普段のイケてる姐さんなジュディ・デンチはどこにもありません~。
このジュディ演じるバーバラという女性、本当に怖いんです(^^;)。
オールドミス(死語)がみんなああなるって思われたらやだなぁぁぁ~。
っていうか、エンドロールの時に後ろの方に座っていた主婦らしき二人連れは、しきりに「ああゆうおばさんっているよねぇ~」としきりに言ってましたが、あんなのが本当に身近にいるのか?????だったら通報しろよ(笑)と心の中で突っ込みをいれてました。
っていうか、このバーバラよくわからないんですよね。
いわゆるストーカー気質なレズビアンなのかと思いきや、バスの運転手と手が触れ合うだけで興奮するみたいな独白もしているし。本来はノーマルだったけど、あまりにも長い孤独のために歪められ、友情を愛情ととってしまうようになってしまったんでしょうか。
どちらにしても、恐ろしくもあり、でもどこか哀れでもあり。
一方のケイト・ブランシェット演じるシーバは、誰もが認める美貌と誰もが羨む素敵な過程を持ちながら心に闇を抱える女性。自分の生徒である15歳の男の子におぼれていくわけですが、あんなに幸せそうな彼女が何故??って思うと同時に、彼女のちょっと浅はかなところや他力本願な性格に納得してしまいました。
そういうところがさらっと表現できているところが、ケイト・ブランシェットはすごいなぁと改めて思いました。
ラスト近く、自宅への階段を上っていくシーバと同じく自宅の半地下の階段を降りていくバーバラの対比がありますが、アッパーミドル階級と労働者階級という二人のどうしても埋まらないミゾみたいなものが表現されているんだなぁ~というのはわかりました。
我々日本人にはあまり理解できないですけどね。この両者の違いは。
おそらく、ちょっとトウのたった未婚女性はバーバラを見て「こうはなりたくない」、今の生活にちょっと不満のあるタイプの既婚女性はシーバを見て「こうはなりたくない」と思うに違いない。この二人は「異常」なんだけど、どこかリアリティがあって自分のこうならないとは言い切れないものがあるように思います。
そういった意味でも、非常に怖い映画です(笑)。
まぁあまり私には関係ないわ~というひとも、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの演技合戦を見るだけでも充分に見ごたえがあるはず。
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