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2007年6月 4日 (月)

『しゃべれどもしゃべれども』

『しゃべれどもしゃべれども』

古今亭三つ葉(国分太一)は、普段から着物で過ごし、古典落語しかやらないというこだわりを持った落語家。ただし、芸はいまいちでなかなか芽が出ない。そんな売れない落語家が、ひょんなことから落語を基にした「話し方教室」を開くことになる。生徒は、美人だが無愛想な女十河(香里奈)、関西弁と阪神タイガースにこだわるあまり学校になじめない小学生村林(森永悠希)、口下手で態度の悪い野球解説者湯河原(松重豊)の3人のみ。『自分を変えたい』そう思い集まった4人だが、不器用な人たちばかりなためにぶつかり合い、前途多難で・・・

ネタバレに近いこと書いてるので、読みたくない人は飛ばしてくださいっ!

最近、寄席にも若い人が通うようになり、落語が静かなブームみたいですね。
人気ドラマ「タイガー&ドラゴン」の長瀬・岡田コンビにつづき、実力派ジャニーズタレントの国分太一が主演するってことで、また新たにファンを獲得できるんでしょうか?
伝統芸能に興味を持つ若い人が増えることは非常に喜ばしく、またこの映画はそれだけの面白さ、力強さがあると思います(^^)。

主演の国分太一、人当たりよさそうに見えて江戸っ子気質の頑固者な三つ葉の雰囲気にぴったり。バラエティのおもしろい兄ちゃんなイメージが強いんで、けっこう演技もできることに驚きました。
劇中劇ならぬ劇中落語についても、体当たりで真面目に取り組んでいるのが伝わってきました。途中挿入される枝雀師匠の往年の落語とどうしても比較してしまうと全然・・・ではありますが(当たり前だっ)、クライマックスの「火焔太鼓」などはグイグイ引きこまれるものがあり、よくここまで持ってきたな~と思いました。

いつも怖い顔をしてついついキツいことを言ってしまう美女を演じた香里奈も、なんかピッタリでしたね。無愛想、口を開けば毒舌という最悪な女性役ですが(笑)、そんな殻に閉じこもった女の子の不器用さ、繊細さ、けなげさみたいなのが伝わってきました。

この十河という女の子、能面のような顔の裏で「なんとか変わりたい」と必死にもがいているというか、真剣なのに態度にそれが表れないというか、本当に不器用な子で、なんだか自分に重ねてしまうところがありましたね~。まぁ「骨格まで美人」と評されるほどの香里奈の美貌には全く遠いのですが(笑)。けっこうそういう人多いんじゃないかな。

王監督を思わせる容姿の松重豊も相変わらずの達者ぶり。
また、三つ葉のお祖母さん役の八千草薫も上品ながらも切符のいい江戸っ子ぶりで、素敵でした。
三つ葉の師匠役の伊東四朗は江戸の落語家っていうにはちょっとウェットすぎる感じではありましたが、難しい落語もこなし、いい加減だけど根はあたたかい師匠を好演されてたと思います。

このそうそうたるメンバーの中一番輝いていたのは、小学生村林役の男の子ではないでしょうか~。いるいるこういうムカつく小学生~(笑)、でも憎めないんですよね、村林。
「まんじゅうこわい」も小学生があそこまでできるのも凄いし、さらに上方落語の雰囲気まで感じさせる辺りは、相当練習したんだろうな~と感心しました。努力賞モノですね。

しゃべれるようになりたい!と話しかた教室に集まった人々ですが、肝心のしゃべりは最後まで上達しないものの(笑)、それぞれ自分の現状を変える力を得た3人+三つ葉の成長に心あたたまります。
村林は結局関西弁のままだし、湯河原は解説者として成功できなかったし、十河も無愛想は変わらず。
でも、クラスのいじめっこと対等になるきっかけをつかんだ村林、その村林の野球指導を通じて新たに自分のやりたいことを見つけた湯河原、自分の胸のうちを言葉に出来るようになった十河・・・
それぞれなにげないことですが、こういう日常生活の中でのちょっとした非日常がもたらす成長ってのがよく表現されていたと思います。

ただ、最後の恋愛もどきなシーンはいわゆる蛇足ってやつでしょうか。
まぁせっかくアイドルと美人女優を起用したんだからもったいない・・・ということかもしれませんが。

でもトータルでは適度に笑えて時々ホロリとして、心あたたまる映画でした。
落語のシーンで、映画館の客から笑いが起きるのもスクリーンならでは。
下町の風景や寄席の舞台裏、そしてラストのゆずの歌と、気分よく映画館を後にすることができる作品だったなぁ~と思います♪

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