『さくらん』
吉原の玉菊屋に売られてきた少女は「きよ葉」と名づけられ、未来の花魁となるべく厳しく育てられる。やがて17になり店に出るようになったきよ葉は、ゴージャスな美貌と誰にも媚びないプライドの高さと気風の良さで評判になり、あっという間に人気者に。遊女同士の強烈な足の引っ張り合いや初恋の人からの裏切りにも屈せず、やがて「日暮」と名前を替え花魁へと上り詰める。やがて大名に見初められ「是非に正妻として」と身請け話が持ち上がるが・・・
映画館で映画名を告げる時、「さくらん」の発音を治されてしまった(^^;)。
「く」にアクセントを置くちょっと関西風の発音で「さくらんお願いします~」と言ったら、胃薬の「サクロン」と同じ発音で「さくらんですね?」と訂正。まぁどっちでもいいと思うんだけど。
極彩色の洪水のような画面の連続で、映像の美しさに圧倒~。
さすがフォトグラファー蜷川実花ってところでしょうか。
出てくる女優さんたちもみんなきれい。特に菅野美穂と木村佳乃、それから女将の夏木マリは役にもハマってて見ごたえがありんした。
男性陣はあまりしどころのない役がほとんどなのですが、みなさんサブカル的女性の好みなキレイで漫画的な俳優さんが多いですね(笑)。中で一番インパクトがあったのは市川左團次丈。素でやってんのか?っていうくらい、エロ爺さんなのに粋で上品な、だけど凄みもあるという大物御隠居様。この方が出るたびに画面が締まってました。
時代考証?なにそれ??って感じなぶっ飛んだ映像、セット、音楽、キャスティング。
時代劇じゃなくてファンタジーなんだな~と思うのですが、ストーリーはめちゃくちゃスタンダード。
気の強い美少女が周りの嫉妬や妨害にもめげず、健気に自分の信じた道を進み、やがて非の打ち所のないお金持ちの王子様が白馬に乗って現れるけど選ぶのはずーっと見守ってくれていた幼馴染、みたいな少女漫画か韓国ドラマばりのベタベタストーリーではないでしょうか(笑)。まぁ原作は少女漫画なわけですが。
ただ、ラストは近松門左衛門ばりの「心中もの」。
一見好きな人と新しい世界へ飛び出していくハッピーエンド風なのですが、しつこいくらいに繰り返された桜と金魚の描写で二人はやがて惨殺されるであろう未来が見える。
桜=死は梶井基次郎も言っていることだし。
破天荒に生きてきた風な日暮ですが、結局彼女自身が人に決められる人生ではなく自分で選ぶことが出来るのは「死」しかないんですね~。あくまでも遊郭という狭い狭いびいどろの中で暴れている金魚でしかなかったんだと。
そう思うと、桜並木と菜の花畑を笑顔で歩く姿は切ないですね~。
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