『この胸いっぱいの愛を』
2006年、出張のため飛行機で門司を訪れた比呂志(伊藤英明)は、小学生の頃過ごした祖母の経営する旅館の前で、幼い頃の自分(富岡涼)に出会う。なんと20年前にタイムスリップしていたのだ。なりゆきで「自分」と一緒に暮らすことになった比呂志だが、幼い頃憧れていた近所のお姉さん、和美(ミムラ)と「再会」する。彼女は20年前、難病に冒され、ヴァイオリニストになる夢を諦めて自暴自棄のうちに亡くなったのだった。彼女の死から逃げることしかできなかった比呂志は、今度こそ彼女を救おうと思うのだが・・・
「もし、人生でひとつだけやり直すことができるなら・・・」
このキャッチコピーの通り、20年前の門司にタイムスリップしてきた4人はそれぞれの心残りを解決するために奔走する。盲目の老女は看取ることのできなかった盲導犬にお礼を言いに、チンピラの少年は産後すぐなくなった母親に「自分を産むな」と言いに、数学者の男は学生時代にひどいことをした近所のおじさんにあやまりに、というふうに、過去の悔いを改めていく。そのエピソードがそれぞれ「泣け、泣け」(笑)と言われているようなエピソードばかりで、正直食傷気味でした。
なぜこの4人がタイムスリップしたのか?ということは思いっきりネタバレになるので書けませんが(私はこの理由が分かったとき「えぇぇぇ~」と驚いたもので。私がニブいだけですか?)、彼らは「タイムスリップしたときは、過去を変えてはならない」というSF映画のお約束をまったく無視して行動します。まぁ結果的に過去を大きく捻じ曲げたのは比呂志だけですが。なんかそれが新鮮だったりしました。
比呂志役の伊藤英明、海猿効果か体型もがっちりとして骨太になりましたね~。港で子役とやりあう場面では完全に子役に押されていましたが、その他は人のよいサラリーマンを好演してたと思います。あれだけの男前なのに、どこか情けない男が似合いますよね。
和美役のミムラ、独特の華やかさがありました。少年が憧れる年上の女性というと、カツオ君におけるウキエさんのような美人で心優しいタイプが定番ですが、和美は気が強く、かなりの変わり者。まぁ音楽家は変わっている人が多いので、けっこう説得力はあるかも。
何より、門司のロケがよかったです。細い路地、坂道、階段、そして海。なんとなく尾道を思わせるような郷愁があり、もし機会があれば行ってみたいものです。
その他、気になったこと。
・オーケストラのリハ中、いきなり「ソロさせてください」と土下座する伊藤英明。あ、ありえん。
・そしてOKしてしまう指揮者。
・そして、チューニングもせずいきなりヴァイオリンを弾きだすミムラ。
・官九朗と元勘九郎の競演!!!!
・老わんこ!!!
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