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2005年10月21日 (金)

『メゾン・ド・ヒミコ』

『メゾン・ド・ヒミコ』

ピキピキピッキーー!!

地味な事務員沙織(柴崎コウ)のもとに、美しい男(オダギリジョー)が訪ねて来る。父親の恋人だと名乗る男は、父卑弥呼(田中泯)が末期の癌であることを告げ、彼が作ったゲイの老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の雑用のバイトを持ちかけてきた。借金に苦しむ沙織は、父親への複雑な心情を抱えながらもバイト代に引かれて「メゾン・ド・ヒミコ」を訪れるが・・・

この映画を見てからずいぶん時間がたっていますが、いまだに心に残る作品です。

終の棲家というのはある程度年齢がいっていれば誰しも考えると思いますが、この映画の登場人物のようにゲイとして生きていた人たちにとっては死活問題なんだろうなと考えさせられました。
ゲイだから、というよりは、社会や家族の「普通の」コミュミティから隔絶されてきた人々にとっては、ということですけど。

特に印象に残ったのは、長年会社で働くサラリーマンとして生きてきたゲイの人が、女装してクラブに繰り出し、女子トイレで化粧を直しながら「こういうことがしたかった」みたいなことをつぶやくシーン。
女性にとっては女友達と連れ立って化粧室で化粧直し、なんて日常的ななんてことないことですが、それが許されない人たちもいるんだなぁと。
この人の場合はゲイというよりは性同一性障害の方だと思いますが、60歳で定年するまで、長い間ジレンマを抱えて男としていきなければならないなんて、なんだか苦しくなります。
化粧直しだけでなく、恋愛やおしゃれ、その他いろんなことを諦めてこなければならなかった人生を思うと、「男らしい」「女らしい」生き方ってなんなんだろうなぁと。

それはそうとして、オダギリジョーが格好よかった(笑)。
こういう静かな男の役もいいですね~。

柴崎コウも、地味事務員には見えない美人オーラが出てしまっていましたが、こういう普通の女の子役も案外似合っていました。

圧倒的な存在感の田中泯。
しなやかな身のこなしが素晴らしい。ポーズの一つ一つが絵になります。

ゲイのための老人ホームってなんとなくコメディっぽいものを想像していましたが、そういう面白いシーンだけでなく、静かに人間として「老い」ていくということも考えさせられる内容で、キレイな風景もステキでした。

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